呼  吸

 
呼吸とは、空気中の酸素を取り込み、いらなくなった二酸化炭素を排出する、生命維持に欠かせない生理現象です。
脳の呼吸中枢によってコントロールされています。呼吸中枢は、血液中の酸素濃度や二酸化炭素濃度を感知して、呼吸の深さや速さを調節します。
  
呼吸は,肺を取り囲む骨と筋肉によって造られた「胸郭」の動きによっておこります。
 大きく分けて、吸気と呼気の2つの動作からなります。 
◆吸気 
胸郭が広がり、肺が膨らむことで空気が肺内に入る動作です。胸郭が広がるのは、横隔膜が下がるためです。 
◆呼気 
胸郭が狭まり、肺が縮むことで空気が肺外に出ていく動作です。胸郭が狭まるのは、横隔膜が上がるとともに、肋骨が下がるからです。 
 

 
呼吸は、大きく分けて以下の2つの種類に分けられます。 
◆外呼吸 
肺と血液の間で行うガス交換です。吸気によって肺内に入った空気中の酸素は、肺胞の壁を通して血液に溶け込み、全身に運ばれます。一方、血液中の二酸化炭素は、肺胞の壁を通して空気中に吐き出されます。 
◆内呼吸 
細胞と血液の間で行うガス交換です。全身を巡った血液中の酸素は、細胞に運ばれ、細胞内でエネルギーの生成に利用されます。一方、細胞内で生成された二酸化炭素は、血液に運ばれ、肺胞で空気中に吐き出されます。 


呼吸に関連する器官

鼻や口から吸い込んだ空気は、咽頭・喉頭を通り、気管に入ります。咽頭には左右一体の声帯が存在します。気管は左右の肺のなかに入ると、2つに分かれて気管支となります。気管支はさらに細かく分かれて、その先には肺胞という空気が入った小さな袋が、ブドウの房のように付いています。

(1)気  管


気管とは、鼻や口から吸い込んだ空気を肺まで運ぶ管です。喉頭から始まり、胸郭の中に入ると、左右の気管支に分かれ、さらに細かく枝分かれしていきます。
長さは、約10〜12cm、直径約2〜3cmの、細長い管です。

<気管の主な構造>

  1. 軟骨リング: 気管は軟骨リングと呼ばれる不完全なリング状の構造で支えられています。これらの軟骨リングは、気管が潰れずに開かれた状態を維持する役割を果たしています。軟骨リングは不完全な円環状であり、後方には平坦な組織が存在しています。
  2. 粘膜層: 気管の内部は、粘膜と呼ばれる薄い組織で覆われています。この粘膜には、繊毛と粘液が存在し、異物や微粒子を気管から排除するのに役立っています。
  3. 平滑筋層: 気管の壁には平滑筋が存在し、これにより気管の収縮と拡張が可能となります。平滑筋の収縮によって、気管の直径が変化し、これが呼吸の制御に寄与しています。
  4. 軟部組織: 気管は主に軟部組織で構成されています。この柔らかい組織によって、気管は運動に対して柔軟であり、首や胸部の動きに適応することができます。


 (2)気管支


気管支は、肺の中に入ると、左右の気管支に分かれ、さらに細かく枝分かれしていきます。

気管支は次のように分岐していきます。

·        主気管支 

·        葉気管支 

·        気管支

·        細気管支 

·        終末細気管支

·        呼吸細気管支

 

気管支は、空気の流れを調節する役割も担っています。気管支の筋肉は、収縮することで気管支を狭め、拡張することで気管支を広げます。これによって、吸気や呼気の量を調節しています。

 


(3)肺


肺とは、空気中の酸素を取り込み、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きをする器官です。
肺は、胸郭の中にあり、右肺と左肺の2つがあります。右肺は上葉、中葉、下葉の3葉、左肺は上葉と下葉の2葉からなっています。

肺の働きは、主にガス交換ですが、それ以外にも以下の働きがあります。

  • 声帯の振動を助ける
  • 体温を調節する
  • 免疫機能を助ける


肺は、呼吸器系の中心的な器官です。

(4)肺  胞

肺胞の壁には、血管がたくさん通っています。吸い込んだ空気中の酸素は、肺胞の壁を通して血液に溶け込み、全身に運ばれます。一方、血液中の二酸化炭素は、肺胞の壁を通して空気中に吐き出されます。
肺胞の大きさは、直径が約0.1~0.2mm、で両方の肺に3億~6億個あるといわれています。