レセプト審査
レセプト審査とは、医療機関が請求する診療報酬が、国の定めるルールに沿って適切に算定されているかを確認する手続きです。保険者や審査機関が、レセプト(診療明細書)の内容を一つひとつ調べ、医療費の不正を防ぎ、適正な医療費水準を保つことが目的です。
■レセプト審査の流れ
- 医療機関からのレセプト提出
医療機関が患者に行った診療や治療に基づき、診療報酬を請求するためのレセプトを作成・提出します。 - コンピュータによる事務的チェック
まずはレセプト内容が規則に沿っているか、システムによって機械的に確認されます。この段階では、レセプトの形式的な不備や明らかな誤りをチェックします。例えば、誤記やコードの不一致、薬剤の過剰請求などがここで検出されます。 - 審査委員会による審査
コンピュータチェックを通過したレセプトは、医師などの専門家から成る審査委員会によって内容がさらに審査されます。 - 査定や減点、返戻の決定
審査の結果、不適切な請求があれば、査定(減額)や返戻(修正再提出)が行われます。
5.最終決定・支払
審査が完了したレセプトについては、診療報酬が確定し、医療機関に支払われます。
■レセプト返戻と査定
レセプト返戻とは
医療機関が提出したレセプト(診療報酬明細書)に、記載ミスや不明な点など、審査機関が判断できない箇所がある場合に、そのレセプトが医療機関に戻されることです。
返戻される主な理由
- 事務手続き上のミス: 名前、性別、生年月日、保険証番号などの誤記が最も多いです。
- 医療行為に関する疑問点: 診療内容や処方薬が適切か、保険診療の範囲内かなど、審査機関が疑問に思う点がある場合。
返戻された場合の手続き
- 返戻理由の確認: 返戻されたレセプトと、一緒に送られてくる返戻内訳書をよく確認します。
- 誤りの訂正: 記載ミスなどを修正します。
- 再請求: 訂正したレセプトを再度審査機関に提出します。
レセプト査定とは
医療機関が提出したレセプト(診療報酬明細書)について、審査支払機関が、保険診療のルールや医療に関する法律などに照らし合わせて、請求内容が適切かどうかを審査し、不適切な部分があれば増減を行うことを「査定」といいます。
査定された内容は「増減点連絡書(通知書)」等により医療機関に通知されます。
査定された理由は査定記号で表されています。
各種通知書
返戻・査定・再審査の結果など医療機関に通知されます。
【返戻内訳書】
返戻内訳書は、医療機関等から請求された診療報酬明細書(レセプト)について、点検・審査等の結果、内容確認のため、医療機関等へお返しするレセプトの内訳や事由等を表示しています。
【受付エラー連絡票】
受付エラー連絡票は、医療機関等から電子媒体にて請求された診療報酬明細書(レセプト)について、受付の結果、 エラーのため、再請求が必要なレセプトの情報やエラー内容等を表示しています。
【増減点連絡書】
増減点連絡書は、医療機関等から請求された診療報酬明細書(レセプト)について、点検・審査等の結果、点数等に異動が生じた場合にお知らせする増減点数(金額)や事由等を表示しています。
●増減点事由
医療機関等から請求された診療(調剤)報酬明細書(レセプト)について、点検・審査等の結果、点数等に異動が生じた場合、医療機関等へ その内容をお知らせしている増減点連絡書等に表示している増減点事由等の記号凡例。
1. 診療内容に関するもの
A 療養担当規則等に照らし、医学的に保険診療上適応とならないもの
B 療養担当規則等に照らし、医学的に保険診療上過剰・重複となるもの
C 療養担当規則等に照らし、A・B以外で医学的に保険診療上適当でないもの
D 告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの
2.事務上に関するもの
F 固定点数が誤っているもの
G 請求点数の集計が誤っているもの
H 縦計計算が誤っているもの
K その他
【再審査等支払調整額通知票(補正・査定分)】
再審査等支払調整額通知票(補正・査定分)は、再審査等の結果、診療報酬明細書(レセプト)に調整金 額が発生した場合、医療機関等へお知らせする増減点数や事由等を表示しています。
【 再審査等支払調整額通知票(返戻分)】
再審査等支払調整額通知票(返戻分)は、再審査等により診療内容等の確認のため、医療機関等へお返しする診療 報酬明細書(レセプト)の内訳や事由等を表示しています。
【 再審査結果連絡書(原審どおり)】
再審査結果連絡書(原審どおり)は、医療機関等からの再審査請求で原審どおりとなった場合、医療機関等へ お知らせする結果内容を表示しています。
【資格確認結果連絡書】
資格確認結果連絡書は、医療機関等から請求された診療報酬明細書(レセプト)が、審査支払機関での 電子資格確認の結果、振替・分割等の対象となった場合、振替先等の資格確認結果内容を表示しています。
再審査請求
「再審査請求」とは、保険医療機関などが審査支払機関の審査結果に納得できない場合に、減点された点数の復活を求めて異議を申し立てるための制度です。審査基準の誤適用などが認められた場合、適正な診療報酬の支払いを受けることを目的としています。
■再審査等請求書
【作成要領】
1. 再審査又は取下げの請求を行う場合の再審査等請求書は、対象となるレセプト1件ご とに作成し、審査事務センター又は審査委 員会事務局に提出してください。
2. 様式上部の部分(「下記理由により・・・」の文中部分)
「再審査」又は「取下げ」については、そのいずれか該当するものに○印 を付してく ださい。
3.「点数表」欄
該当の番号に○印を付してください。
4.「旧総合病院診療科」欄
医療法の一部を改正する法律(平成9年法律第125号)による改正前の医療法(昭和 23年法律 第205号)第4条の規定による承認を受けている病院である保険医療機関の み当該診療科名を記入してください。
5. 「診療年月」欄
レセプトの診療年月を記入してください。
6. 「請求(調整)年月」欄
次により記入してください。
- 一次審査の結果に対する再審査請求の場合は、支払基金へ当初に請求した年月(通 常は診療年月の翌月)を記入してください。
- 突合点検又は突合再審査の結果に対する再審査請求の場合は、突合点検調整額通知 票又は突合点検調整額通知票【再審査】の 枠外上部に記載されている調整診療年月 を記入してください。
- 再審査の結果に対する再審査請求の場合は、再審査等支払調整額通知票の枠外上部 に記載されている調整診療年月を記入して ください。
7.「明細書区分」欄
該当の番号にそれぞれ○印を付してください。
8.「再審査等対象種別」欄
次の該当する番号に○印を付けて下さい。
- 一次審査の結果に対する再審査請求の場合は「1 一次審査」
- 突合点検又は突合再審査の結果に 対する再審査請求の場合は「2 突合再審査」
- 再審査の結果に対する再審査請求の場合は「3 再審査」
9.「再審査等対象種別が「2 突合再審査」のとき、相手方薬局」欄
突合点検調整額通知票又は突合点検調整額通知票【再 審査】に記載されている薬局 のコード及び名称を記入してください。 なお、「都道府県」欄は、薬局の所在地が 他都道府県の場合に都道府県コードを記入してください。
10.「保険者番号」・「公費負担者番号・市町村番号」欄
次により記入してください。
① 医療保険単独の場合は、「保険者番号」欄に当該番号を記入してください。
② 公費負担医療(以下「公費」という。)単独の場合は、「公費負担者番号・市町村 番号」欄に当該番号を記入してください。
③ 医療保険と公費の併用の場合は、医療保険の番号を「保険者番号」欄に、公費(公 費が2種以上の場合は第1公費)の番号を 「公費負担者番号・市町村番号」欄に、そ れぞれ記入してください。
④ 公費と公費の併用の場合は、第1公費の番号のみを「公費負担者番号・市町村番号」 欄に記入してください。
11. 「記号・番号」欄
医療保険の場合に記号・番号を記入してください。
12.「受給者番号」欄
老人保健又は公費の受給者番号を記入してください。
13.「請求点数(金額)」・「一部負担金」・「食事・生活請求金額」・「標準負担額」欄
支払基金に請求した合計点数 又は金額を記入してください。
14.「減点点数(金額)」・「減点事由及び箇所」・「減点内容」欄
一次審査の結果に対する再審査請求の場合は増減点 連絡書の記載内容を、突合点 検又は突合再審査の結果に対する再審査請求の場合は突合点検調整額通知票又は突 合点検調整額通知 票【再審査】の記載内容を、再審査の結果に対する再審査請求 の場合は再審査等支払調整額通知票の記載内容を、それぞれの項目 ごとに記入し てださい。
15.「請求理由」欄
「再審査」又は「取下げ」の請求理由を記入してください。
16. 再審査請求が多項目にわたり、「減点内容」欄及び「請求理由」欄に記入しきれな い場合は、 適宜、用紙を添付するなどにより対応してください。
17.「※取下げ理由」欄、「※備考」欄及び「※基金使用欄」については、基金で使用し
ますので、何も記入しないでください。
※「増減点連絡書・各種通知書の見方」:社会保険診療報酬支払基金 引用https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/mikata/seikyushiharai_04.files/seikyushiharai_04_01.pdf
医療内容の請求は、医療機関の経営を左右する重要な業務です。診療内容を正確に反映したレセプトを作成し、提出することで、適正な診療報酬を受け取ることができます。不備があると、レセプトが戻されたり、評価が低くなるリスクがあり、結果として医療機関の収益に影響を及ぼす可能性があります。慎重かつ正確な請求手続きを行い、正しい診療報酬の評価を実現しましょう。