軟膏とクリーム
【軟膏とクリームの違い】
軟膏とクリームは、どちらも皮膚に塗る薬です。しかし、軟膏は水を含まない油性の基剤で作られているのに対し、クリームは水と油を乳化させた基剤で作られています。
そのため、軟膏はクリームに比べてべたつきが強く、水分を保ちやすいという特徴があります。一方、クリームは軟膏に比べて塗りやすく、べたつきが少ないという特徴があります。
軟膏とクリームは、それぞれに適した用途があります。例えば、乾燥肌やひび割れには軟膏が、湿疹や炎症にはクリームが適しています。また、使用感も個人の好みによって異なります。べたつきが苦手な人や、水分を保ちたい人には軟膏が、塗りやすくべたつきが少ないクリームが適しています。
軟膏とクリームは、どちらも皮膚に塗る薬ですが、それぞれに特徴が異なります。
【 それぞれの特徴】
【薬効と薬剤名】
軟膏とクリームの薬効は、主薬の種類によって異なります。主薬には、ステロイド、抗菌剤、抗真菌剤、消炎鎮痛剤などがあります。
◆ステロイド軟膏
- 炎症を抑える効果があります。
- 湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患に効果があります。
【薬剤名】
プレドニゾロン軟膏・クリーム
ベタメタゾン軟膏 ・クリーム
デキサメタゾン軟膏 ・クリーム
ヒドロコルチゾン軟膏 ・クリーム など
◆抗菌軟膏
- 細菌を殺す効果があります。
- にきび、水虫、化膿性皮膚炎などの皮膚疾患に効果があります。
【薬剤名】
ゲンタマイシン軟膏 ・クリーム
クロラムフェニコール軟膏 ・クリーム
バチトラシン軟膏 ・クリーム
リドカイン軟膏 ・クリーム など
◆抗真菌軟膏
- カビを殺す効果があります。
- 水虫、白癬などの皮膚疾患に効果があります。
【薬剤名】
テルビナフィン軟膏 ・クリーム
イソコナゾール軟膏 ・クリーム
クロトリマゾール軟膏 ・クリーム
ミコナゾール軟膏 ・クリーム など
◆消炎鎮痛軟膏
- 炎症と痛みを抑える効果があります。
- 打撲、捻挫、筋肉痛などの痛みに効果があります。
【薬剤名】
ロキソプロフェン軟膏 ・クリーム
イブプロフェン軟膏 ・クリーム
ジクロフェナク軟膏 ・クリーム
ケトプロフェン軟膏 ・クリーム など
【軟膏とクリームの塗り方】
軟膏やクリームは、塗り方によっても効果に差があります。軟膏やクリームを患部に塗る方法は、大きく分けて「塗布」と「塗擦」の2つがあります。
「塗布」とは、軟膏やクリームを患部に塗り広げるだけの方法です。一方、「塗擦」とは、軟膏やクリームを患部に擦り込む方法です。
塗擦は、塗布よりも軟膏やクリームの浸透を良くし、効果を高めることができます。しかし、塗擦は患部に刺激を与える可能性があるため、注意が必要です。
塗布と塗擦のどちらの方法で塗るかは、軟膏やクリームの種類や症状によって異なります。
例えば、ステロイド外用剤は、塗布するだけで十分な効果を発揮するため、塗擦する必要はありません。
一方、保湿剤や消炎鎮痛剤は、塗擦することで、より高い効果を発揮します。
【軟膏とクリームの使用量】
指の先端から第一関節までの長さに相当する1FTU(finger tip unit)を使用して、軟膏やクリームの塗布量を説明する方法は一般的です。この方法は、適切な量を確保するための手段として利用されています。
指の先端から第一関節までの長さに絞り出した量が約0.5gであり、両手のひらに塗る量に相当します。この場合、大きなチューブ(25gや50g)では絞り出した量が約0.5gになります。小さなチューブ(5g)の場合、指の先端から第一関節までを2回絞り出した量が約0.5gになります。
1FTUを使用した塗布量は、一部の人にとっては多く感じるかもしれませんが、軟膏やクリームは十分な効果を得るために十分な量を使用することが重要です。塗布量が不足していると、十分な効果が得られず、病気が長引く可能性があります。
ただし、軟膏やクリームには塗布量の制限がある場合もあります。特定の薬剤や治療法に関しては、医師や薬剤師の指示に従う必要があります。
【軟膏とクリームが複数処方】
軟膏やクリームが複数処方されている場合、塗る順番は、一般的に、塗る面積の広い方から先に塗ります。
例えば、ステロイド外用剤と保湿剤の併用では、塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹等の病気の部分だけに塗ります。これは、ステロイド外用剤を病気の部分だけに塗ることで、ステロイド外用剤が塗る必要のない部分に広がることを防ぎ、副作用を防ぐためです。
また、軟膏とクリームの種類によっては、塗る順番が異なる場合があります。例えば、水分が多いクリームを先に塗ると、水分を吸収する軟膏が塗りづらくなることがあります。そのため、軟膏とクリームを併用する場合は、軟膏を先に塗ることが推奨されます。
【軟膏とクリームの保存】
軟膏やクリームは、長期間使用可能ですが、正しく保存しないと使用期限まで使用できないことがあります。特に、温度や光などの影響を受けやすい軟膏やクリームが多いので注意が必要です。軟膏やクリームの保存温度は大部分が『室温保存』です。室温保存とは正確には1℃~30℃の範囲内で保存することです。夏場など30℃と超える場合には冷蔵庫などに保存してください。
軟膏やクリームを保存する際には、以下の点に注意してください。
- 直射日光が当たらない場所に保管してください。
- 高温多湿を避けてください。
- 開封後は、できるだけ早く使い切ってください。
軟膏やクリームを正しく保存することで、効果を長持ちさせ、副作用を防ぐことができます。