脳梗塞の治療薬

脳梗塞とは

脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり、細くなったりして血流が途絶え、十分な酸素やエネルギーが供給されず脳細胞が壊死してしまう病気です。一度壊死した脳細胞は元に戻ることはありません。
 
脳梗塞は次の3つのタイがあります。

1.   ラクナ梗塞:脳の深部にある細い血管(=穿通枝)が詰まって起こる脳梗塞の一種です。ラクナとはラテン語で「小さなくぼみ」という意味で、ラクナ梗塞は直径15mm以下の小さな脳梗塞のことを指します。

2.   アテローム血栓性脳梗塞:脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞の一種です。アテロームとはラテン語で「粥状硬化」という意味で、アテローム脳梗塞は、血管の壁に脂質やプラークがたまって、血管が狭窄や閉塞する動脈硬化によって起こる脳梗塞のことを指します。

3.心原性脳塞栓症:心臓で出来た血栓が血液に運ばれて、脳の血管に詰まる脳梗塞の一種です。心臓の弁膜症や心筋梗塞などの病気によって血栓が形成されると、血液の流れに乗り、脳の血管に詰まることで、心原性脳塞栓症を発症します。 


治療に使用される薬

脳梗塞は、発症後できるだけ早く治療することが重要です。
 

■血栓溶解薬

血栓溶解薬は、脳の血管を塞いでいる血栓を溶かす薬です。脳梗塞発症後4.5時間以内であれば、発症後できるだけ早い段階で投与することで、脳梗塞の重症度を軽減し、後遺症を少なくすることができます。
 
血栓溶解薬には、アルテプラーゼ(商品名:アクチバシン)、ウロキナーゼ(商品名:ウロキン)などがあります。

抗血栓薬

抗血栓薬は、血液が固まりにくくする薬です。脳梗塞の再発を予防するために使用されます。
抗血栓薬には、大きく分けて2種類があります。

  • 抗血小板薬:血小板の働きを抑えて血液が固まりにくくする薬です。

アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールなどがあります。
 

  • 抗凝固薬:血液の凝固因子に作用して、血栓が大きくなるのを予防する薬です。 

ワーファリン、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンなどがあります。
 

 ■抗浮腫剤

脳梗塞を発症すると、脳の血管が塞がった部分の周りにむくみが生じます。このむくみが脳の正常な部分を圧迫し、症状を悪化させるため、抗浮腫剤でむくみを抑制して、周囲の正常な脳細胞の障害を予防するお薬です。

抗浮腫剤には、グリセロール、マンニトールなどがあります。

 
■脳保護剤(フリーラジカルスカベンジャー)

脳梗塞を発症すると、障害された脳細胞や血管から、フリーラジカル(活性酸素)が発生し脳細胞のさらなる損傷を引き起こすと考えられています。
脳保護薬を投与してフリーラジカルを除去し、脳の障害を防ぐことにより、脳梗塞の後遺症を軽減する作用があります。
 
保護剤には、エダラボンなどがあります。